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2022.08.17

【事業再構築補助金】個人事業主の飲食店での活用事例や注意点とは?

こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
当事務所では、事業再構築補助金の申請から交付申請・実績報告までの幅広い支援を行なっております。

さて、「これから事業再構築補助金を検討していきたい!」というあなたに向けて記事を書いていきます。

コロナ禍でのビジネスの方向転換において大きく役立つ補助金が事業再構築補助金です。

事業再構築補助金は個人事業主の方も対象となるため、申請を検討している方も多いことと思います。

そこで今回は、個人事業主の方が飲食店で事業再構築補助金を活用する際の事例や注意点についてご紹介していきたいと思います。

*この記事は、事業再構築補助金の公募要領などの情報をもとに作成しています。

飲食店の場合どんな事業再構築で申請が出来る?

まずは、飲食店の場合どんな事業再構築で事業再構築補助金を申請することが出来るのでしょうか?その一例についてご紹介していきます。

事業再構築補助金では基本となる5つの類型があり、それぞれの類型において下記のような事業再構築が考えられます。

1:新分野展開

新分野展開は飲食店を例に考えると「既存の飲食店に+αする」という考え方になります。

例えば、現在の店内の飲食スペースを少し縮小し、代わりにテイクアウト販売を実施するというのがその例と言えるでしょう。

2:事業転換(飲食業のA事業からB事業へ)

事業転換は、現在のジャンルからより売上が見込めそうな別のジャンルに移ることを指します。

飲食店で言うなら、「メインとしているジャンルや商品を変える」という考え方ですね。

3:業種転換

業種転換は飲食店で考えるなら「そもそも飲食店をやめ、他の業種に変えよう」という考え方になります。

例えば現在の店舗を閉店し、飲食店経営のノウハウを活かして飲食店専門のコンサルティング業を始めるなどが挙げられます。

4:業態転換

業態変換は飲食店で例えるなら、「飲食業自体はやめないけど、商品や販売方法を改める」という考え方になります。

例えば、店舗での料理の提供をやめ、ECサイトでの商品販売に変えるなどがあたります。

5:事業再編

事業再編はM&Aなどによって組織の再編を行うというものです。

例を表すなら、M&Aによって既存の飲食事業を譲渡し、食品製造事業を立ち上げるなどが挙げられます。

飲食店での実際の採択事例とは?

では、実際に飲食業での事業再構築補助金の採択事例にはどんなものがあるのでしょうか?次はその点についてご紹介していきます。

1:スープカレー専門店がコーヒー豆の焙煎販売および焙煎体験を行う

北海道のスープカレー専門店が、オーダーメイド焙煎の200種類のコーヒー豆を店頭やデリバリーで販売し始めたという事例があります。

また、コーヒー豆の販売だけではなく、焙煎体験会の開催やドリンク・関連商品の販売なども始めたようです。

2:バーから高級おばんざい料理専門店に転向、EC販売にも対応

東京都で元々インバウンド客をターゲットとしていたバーが、高級おばんざい料理専門店に転向したという事例もあります

有名和食レストランで修行を積んだ料理人のスキルやや全国の生産者からの良質な食材を仕入れルートを活かして新たなお店を立ち上げたとのこと。また、EC販売も開始しています。

3:大阪の予約困難焼肉店を関東で初出店

大阪府では都内で複数の居酒屋を経営する企業が、大阪市北新地の人気焼肉店の関東初進出を行いました。

代表自身が本店で修業をし、銀座に関東初出店を果たしたとのことです。

4:飲食店からキッチンカーに変更し市場拡大

第四回公募では元々炭火串焼き・おでん店を経営していた事業者が、キッチンカーでのランチ販売と仕込み厨房という大規模な事業計画を提出して採択されました。

同店は元々夜間のみの営業でしたが、コロナ禍によって夜出歩く人の数が激減。

そこで評判の高い炭火串焼き等をアレンジしたランチを開発し、夜間のみの収入から昼営業への分散化を図っています。

5:飲食店から冷凍調理食品製造業へ業種転換

元々店内でうなぎと炭火焼を提供していた事業者が、冷凍調理食品製造業へと業種転換した事例です。

元々は炭火焼を使った高級うなぎ料理を提供していましたが、コロナ禍により会食機会が減少。

そこで新たに冷凍食品の開発を行い、店舗での飲食から冷凍食品の販売にシフトしました。

6:店舗依存型脱却に向けてのデリバリー事業

東京都の寿司店では、新たにデリバリー業の開始とそれに伴った寿司ロボットの導入を考えた事業計画書が採択された事例があります。

元々職人が握るスタイルにこだわりがあったため寿司ロボットなどは未導入でしたが、デリバリーに適合した事業展開を行うため、寿司の提供速度向上を目的として寿司ロボットを導入したようです。

7:ECサイト構築による「お肉のブーケ」のネット販売事業

東京都の焼肉店では精肉のカット技術を活かし、バラの花を模した冷凍生肉の盛り合わせを販売するECサイトをスタートしました。

焼肉店は新型コロナウイルスの感染に伴い会食機会が減少し、売上も減少傾向にあります。そうした経営リスクを減らすための補助事業と言えます。

精肉のカット技術という自社の強味をしっかりと活かしているのがポイントですね。

補助対象となる経費について

事業再構築補助金で補助対象となる経費は以下の通りです。

  • 建物費(建物の建築・改修・撤去、賃貸物件等の原状回復)
  • 機械装置・システム構築費(設備や専用ソフトの購入やリース等)
  • クラウドサービス利用費
  • 運搬費
  • 技術導入費(知的財産権導入に要する経費)
  • 知的財産権等関連経費
  • 外注費(製品開発に要する加工、設計等)
  • 専門家経費
  • 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
  • 研修費(教育訓練費、講座受講等)

飲食店の場合は店舗や厨房設備などの改装費や、EC販売を始める際のシステム構築費などがメインになるものと考えられます。

なお建物費についてですが、新たに店舗を購入するなどの不動産取得費は補助の対象外となるので注意しましょう。

飲食店で事業再構築補助金を申請する際の注意点とは?

次は、飲食店で事業再構築補助金を申請する際の注意点についてご紹介していきます。

1:自社のみの新規性や強味があること

事業再構築補助金の申請では

  • 自社の強味を活かしていること
  • 他の商品やサービスでは代替出来ない新規性があること

この2点が重視される傾向にあります。

そのため、ただ今までやっていなかった新しい事業を始めようとしても不採択となる可能性があるので注意が必要です。

2:2021年以降に開業した方は対象外

事業再構築補助金は、以前は2020年までに事業を行なっている事業者(特例により2020年12月までの開業も可)が対象となっています。

そのため、2021年以降に開業した方は対象外となっているので注意しましょう。

3:開業資金には利用不可

事業再構築補助金はあくまで事業再構築の場合のみ補助されますので、開業資金として利用することは出来ません。この点にも注意が必要です。

4:フリーランスは対象外

事業再構築補助金は個人事業主の方は補助の対象となっていますが、会社などから仕事を請け負って働くフリーランスの方は対象外となっています。

あくまで自ら事業を営んでいる方が対象となるというのを覚えておきましょう。

まとめ

今回は個人事業主が飲食店で事業再構築補助金を利用する際の注意点や、活用事例などについてご紹介させていただきました。

飲食業はコロナ禍による時短営業など事業再構築補助金の申請要件にあてはまる場合が多く、なおかつノウハウや経営資源を活かした事業再構築が行いやすいため、事業再構築補助金を利用しやすい業種と言えます。

あなたも是非、飲食業での事業再構築補助金の採択を目指してみてください。

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