こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
この記事を見ているあなたは、
- 国際結婚する予定があるのだけど、どんな書類や手続きが必要なの?
- 国際結婚の手続きは大変って聞いたんだけど、実際のところはどうなの?
と思っている方が多いのではないでしょうか。
なかには、結婚直前に控えた方であったり、結婚直後の新婚さんもいらっしゃるかと思います。
国際結婚の手続きはとても複雑に見えますし、それに加え、行政のホームページはとても分かりづいですよね。
また、日本は外国人の入国や滞在に対してとても厳しい規制があります。国の規制が緩いと不法入国者を招き入れてしまう可能性があるので仕方ないことなのですが…。
その為、国際結婚においても外国人が法律外の手続きを行ってしまうと厳しい規制に引っ掛かってしまい、直ちに日本から追い出されてしまう。ということも少なくありません。
「せっかく結婚したのに日本で一緒に暮らせない…」なんてことが起こりうるのです。
大切なあなたの結婚相手若しくは外国人であるあなたが日本から追い出されることの無いように本記事では国際結婚をする際に気を付けるべき6つの注意点を解説します。
この記事は、行政書士有資格者の私が法律用語を使わずに分かりやすく解説していきます。国際結婚に向き合うあなたの不安を少しでも解消出来たら嬉しいです。
<解説に入る前に>
国際結婚の手続きは大きく2つあります。
- 入籍手続き
- 外国人と日本で一緒に住むための手続き(結婚ビザの取得)
です。
本記事では、「入籍手続き」についてを解説していきます。
「外国人と日本で一緒に住むための手続き(結婚ビザの取得)」に関しては別記事にて解説します。
【意外と簡単】国際結婚の手続きで必要な書類は4つ
<必要書類>
- 婚姻届
- 戸籍謄本
- パスポート
- 婚姻要件具備証明書
国際結婚の手続きに必要な書類は上記の4つです。
1~3は聞いたことがあるかと思います。お近くの役所に行けば大概は手に入ります。
ここで引っかかるのは「婚姻要件具備証明書(こんいんようけん ぐびしょうめいしょ)」ですよね。
婚姻要件具備証明書とは
簡単に言うと、「独身証明書」です。
更に言うと、「私は日本の法律において結婚することに何も問題ありません」と証明するものです。
発行場所は外国籍方の国の在日大使館又は領事館で発行してもらえます。
4つの資料を揃えて役所に提出
- 婚姻届
- 戸籍謄本
- パスポート
- 婚姻要件具備証明書
上記4つの書類を持って役所に提出しに行きます。
以上が入籍手続きの一連の流れです。意外と簡単ですよね!
しかし、国際結婚において以下の6つの注意点を知っておく必要があります。
知っておかないと、せっかく籍を入れたとしても、結婚ビザを取得できず日本で一緒に暮らすことができなくなったり、仮にビザを取得したとしても、婚姻が無効や取消になり、結婚相手若しくは外国人のあなたが日本から追い出されることにも繋がります。
安全な結婚生活を送る為にも、しっかりと理解しておきましょう。
国際結婚の入籍時において「日本人」が気を付ける”6つの注意点”
ここからは、婚姻における日本人側の注意点(日本の法律)を解説します。
これはあくまでも、日本人側が注意すべき事項です。外国人側の注意事項は各国の法律によって様々ですのでこの記事では割愛致します。
先に結論から申し上げます。
- 婚姻意思の合致はあるか
- 婚姻適齢に達しているか
- 重婚ではないか
- 再婚禁止期間ではないか(女性のみ)
- 結婚相手が三親等内ではないか
- 婚姻届は提出したか
以上の6つです。
この中のひとつでも条件を満たしていない場合は、婚姻届を提出していたとしても婚姻自体が無効や取り消しになります。
そうなると日本では一緒に暮らせない可能性が高くなります。
では詳しい内容について解説していきます。
1.真の婚姻をする意思が合致しているか
法律上、婚姻の最大の目的は「生涯を共同生活すること」とされています。
「婚姻の意思があるのは当然だろ!」と突っ込みを入れたくなると思いますが、
稀に婚姻の目的が
- 同性愛者を隠すため
- 消費者金融へ対する信頼回復するため
- 詐欺や脅迫による婚姻
国際結婚においては
・相手を不法滞在させたいため
など不純な理由が挙げられるパターンも存在します。
あなたが相手をしっかり愛し、結婚したいと思っているのであれれば何も気にすることはありません。
2.婚姻適齢に達しているか
婚姻適齢とは、男性は18歳。女性は16歳になっているか。ということです。
また、上記を満たしていても未成年の場合は「父母の同意」が必要です。
日本の法律は早婚に対しての理解は低く、経済的・精神的・肉体的な成熟度が足りていないのでは?といったことを懸念して作られた規定です。
3.重婚ではないこと
重婚とは、重ねて婚姻することです。
これは日本が一夫多妻制をとっているからです。「自分は大丈夫」と思っているかと思いますが、意外と誰にでも重婚になってしまう可能性があります。
例えば、前婚の協議離婚が取消になった場合です。
協議離婚が何らかの理由で取消になってしまった場合は、前婚の離婚が取消され”今回の婚姻が重婚扱いになり取消”となる場合があります。
具体例としては、前婚の協議離婚において相手を騙したり脅迫しながら協議を進行させていた場合です。このパターン以外にも取消になった例は沢山あります。
もし相手や自分が初婚ではない場合は、今一度前婚の状態を確認することをお勧めします。
4.前婚の解消から100日を超えているか(女性側のみの規定)
女性側のみの規定ですが、日本には再婚禁止期間というものがあります。
この規定は、父親不明な子供が出生しないために作られたものです。
仮に女性が前婚の離婚成立から100日以内に妊娠した場合に誰が父親なのか分からなくなるからです。
反対に、父親は明確な場合は100日以内でも婚姻可能です。
前婚の離婚成立時に妊娠していない場合や前婚の離婚後に出産している場合には再婚禁止期間の規定は適用されずスグにでも婚姻することが出来ます。
5.原則:三親等内は婚姻できない
これは画像を見るのが一番ですね。
結婚相手が上記画像に記載されている関係性にいなければ婚姻できます。
ちなみに、従兄弟は四親等にあたりますので従兄弟との婚姻はOKということです。
(画像引用先:オリックス生命保険)
また、三親等内であっても例外として
「養子と、養方の傍系血族(ぼうけいけつぞく)との間の婚姻」は許されます。
難しいので言い換えると
「養子と、養親の実子との婚姻」は許されます。
例えば、あなたが養子の場合において、養親に実子がいるとします。
この場合に、
「あなたと、その実子は婚姻できます」といった例外規定です。
パッと見て、当事者でなさそうであればスルーしてください。
6.婚姻届は出されているか
最後は「婚姻届の提出」です。
未定出(事実婚の状態)では結婚ビザを得られませんので必ずご確認ください。
稀に、相手に届出をお願いした場合に未提出のままということがあります。
ただ忘れているだけなら良いですが、結婚詐欺を目的に意図的に提出していないなどの場合もあります。
婚姻届の提出は、ふたりの大切な門出でもあります。せっかくですので一緒に提出しに行ってはいかがでしょうか。
まとめ
<国際結婚の手続きに必要な書類>
- 婚姻届
- 戸籍謄本
- パスポート
- 婚姻要件具備証明書
<気を付ける6つのポイント>
- 婚姻意思の合致はあるか
- 婚姻適齢に達しているか
- 重婚ではないか
- 再婚禁止期間ではないか(女性のみ)
- 結婚相手が三親等内ではないか
- 婚姻届は提出したか
繰り返しになりますが、注意点に関して1つでも欠けていると結婚ビザを取得できなかったり、仮に取得できたとしても、後々ビザが取り消されて日本から追い出される可能性があります。
いかがでしょうか。
国際結婚は少し手続きが大変ですが、大切なふたりの生活を守る為の手続きでもあります。
焦らず丁寧に手続きを進めていきましょう。応援しています。