こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
当事務所では、事業再構築補助金の申請から交付申請・実績報告までの幅広い支援を行なっております。
さて、個人事業主や中小企業を経営している方の中には、昨今の新型コロナウィルスの影響によって今までのビジネスが上手く行かなくなり、提供する商品やサービスなどについて大規模な方向変換が必要と感じている方も多いのではないでしょうか?
そんな時に利用したい制度が事業再構築補助金です。今回は「これから事業再構築補助金を検討していきたい!」というあなたに向けて、事業再構築補助金を申請する条件や、必要書類について解説していきたいと思います。
*この記事は、事業再構築補助金の公募要領などの情報をもとに作成しています。
事業再構築補助金とは何か?
まずは事業再構築補助金とは何なのか?という点について解説していきます。
事業再構築補助金というのは簡単に説明すると、近年の新型コロナウィルスの影響によって
- 新商品や新サービスの開発
- 新市場の開拓
- 業態や業種の転換
など、大きな事業再構築を図ろうとしている中小企業を支援するための補助金制度で、令和3年4月15日に第1回目の公募が始まり、現在は第7回目の公募期間を迎えています。
事業再構築補助金の対象となるのは誰?
次は事業再構築補助金の対象となる企業や法人についてです。
事業再構築補助金では、以下の条件に当てはまる個人事業・中小企業・中堅企業を対象にしています。
中小企業
- 製造業その他:資本金3億円以下の会社、又は従業員数300人以下の会社及び個人。
- 卸売業:資本金1億円以下の会社、又は従業員数100人以下の会社及び個人。
- 小売業:資本金5千万円以下の会社、又は従業員数50人以下の会社及び個人。
- サービス業:資本金5千万円以下の会社、又は従業員数100人以下の会社及び個人。
ただし、大企業の子会社等の、いわゆる「みなし大企業」は支援の対象外。
中堅企業
- 上記の中小企業基本法に定める中小企業者に該当しない企業。
- 資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人。
- 資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000人以下。
対象となる企業・法人の範囲が広いため、多くの方が申請することが可能です。
事業再構築補助金の申請類型は?
現在第7回となった事業再構築補助金では、以下の6つの申請類型に分かれて募集されています。
- 通常枠
- 大規模賃金引上枠
- 回復・再生応援枠
- 最低賃金枠
- グリーン成長枠
- 緊急対策枠(原油価格・物価高騰等緊急対策枠)
それぞれの補助額・補助率については以下の通りです。
通常枠
■補助金額
- 従業員数20 人以下:100万円~200万円
- 従業員数21~50 人:100万円~4000万円
- 従業員数51~100 人:100万円~6000万円
- 従業員数101人以上:100万円~8000万円
■補助率
- 中小企業者等:2/3 (6,000 万円超は 1/2)
- 中堅企業等:1/2 (4,000 万円超は 1/3)
大規模賃金引上枠
■補助金額
- 従業員数101人以上:8000万円超~1億円
■補助率
- 中小企業者等:2/3(6,000 万円超は 1/2)
- 中堅企業等:1/2(4,000 万円超は 1/3)
回復・再生応援枠
■補助金額
- 従業員数 5 人以下:100 万円~500万円
- 従業員数6~20 人:100 万円~1000万円
- 従業員数 21 人以上:100 万円~1500万円
■補助率
- 中小企業者等:3/4
- 中堅企業等:2/3
最低賃金枠
■補助金額
- 従業員数 5 人以下:100 万円~500万円
- 従業員数6~20 人:100 万円~1000万円
- 従業員数 21 人以上:100 万円~1500万円
■補助率
- 中小企業者等:3/4
- 中堅企業等:2/3
グリーン成長枠
■補助金額
- 中小企業等:100万円~1億円
- 中堅企業等:100万円~1.5億円
■補助率
- 中小企業者等:1/2
- 中堅企業等:1/3
緊急対策枠(原油価格・物価高騰等緊急対策枠)
■補助金額
- 従業員数5人以下:100万円~1000万円
- 従業員数6~20人:100万円~2000万円
- 従業員数21~50人:100万円~3000万円
- 従業員51人~:100万円~4000万円
■補助率
- 中小企業者等:3/4
※従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1500万円を超える部分は2/3。 - 中堅企業等:2/3
※従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1500万円を超える部分は1/2。
事業再構築補助金の申請条件とは?
次は、事業再構築補助金を申請するための条件について解説していきます。
1:売上が減っていること
1つ目の条件は「売上が減っていること」です。
事業再構築補助金に申請するためには、2020年10月以降の連続する6ヶ月のうち、任意の3ヶ月の合計売上が2019年または2020年1月~3月の同3ヶ月の合計売上に比べて10%以上減少している必要があります。
また、「2020年10月以降の連続する6ヶ月」という範囲内であるなら、比較対象となる月自体は連続している必要はありません。
2:5つの事業再構築のいずれかに取り組んでいること
2つ目の条件は、以下で紹介する5つの事業再構築のうち、いずれかに当てはまる取り組みをしているということです。
5つの取り組みについては以下の通りです。
- 新分野展開
中小企業が主な業種や事業を変更することなく、新商品や新サービスを提供することにより新たな市場に進出すること。 - 事業転換
中小企業等が主な業種を変更することなく、新商品や新サービスを開発し、提供することによって主たる事業を変更すること。 - 業種転換
中小企業等が新商品や新サービスを開発・提供することにより、主たる業種を変更すること。 - 業態転換
中小企業等が商品やサービスの製造方法または提供方法を相当程度変更すること。 - 事業再編
会社法乗の組織再編行為(合併・会社分割・株式交換・株式移転・事業譲渡)等を行い、新たな事業形態のもとに新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換のいずれかを行うこと。
3:認定支援機関と計画を立てること
事業再構築補助金を申請するためには、「事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む」というのが条件の1つとなっています。
認定支援機関というのは中小企業支援に関する専門知識や実務経験が一定レベルに達しているものとして、国の認定を受けた
- 行政書士
- 税理士
- 税理士法人
- 公認会計士
- 中小企業診断士
- 商工会
- 商工会議所
- 金融機関
などのことを指します。
申請の条件になっているだけではなく、事業再構築において的確なアドバイスをしてくれるので心強い味方となります。必ず認定支援機関と一緒に計画を立てるようにしましょう。
事業再構築補助金の申請に必要な書類は何?
次は、事業再構築補助金の申請に必要な書類について解説していきます。
事業再構築補助金の申請に必要な書類は
- 事業計画書
- 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
- コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類
- 決算書
- ミラサポplus「活動レポート」の事業財務情報
上記の5点となります。
「コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類」は法人と個人事業主の場合で用意する書類に違いがあります。
法人の場合に必要な書類は以下の通りです。
- 申請に用いる任意の3ヶ月の比較対象となる頃な以前の同3ヶ月の売上が分かる年度の確定申告別表の控え
- 上記の確定申告書と同年度の法人概況説明書の控え(両面)
- 受信通知(1枚)(e-Taxで申告している場合のみ)
- 紳士に用いる任意の3ヶ月の売上が分かる確定申告別表の控え(1枚)
- 4の確定申告書と同年度の法人概況説明書の控え(両面)
個人事業主の場合に必要となる書類は以下の通りです。
- 申請に用いる任意の3か月の比較対象となるコロナ以前の同3か月の売上が分かる年度の確定申告書第一表の控え(1枚)
- 1の確定申告書と同年度の月別売上の記入のある所得税青色申告決算書の控えがある方は、その控え(両面)(白色申告の方は対象月の月間売上がわかる売上台帳、帳面その他の確定申告の基礎となる書類が必要)
- 受信通知(1枚)(e-Taxで申告している場合のみ)
- 申請に用いる任意の3か月の売上が分かる確定申告書別第一表の控え(1枚)
- 4の確定申告書と同年度の月別売上の記入のある所得税青色申告決算書の控えがある方は、その控え(両面)(※白色申告の方は対象月の月間売上がわかる売上台帳、帳面その他の確定申告の基礎となる書類が必要)
まとめ
今回は事業再構築補助金の申請条件や必要書類についてご紹介させていただきました。
事業再構築補助金は個人事業主・中小企業・中堅企業まで幅広い範囲の方に対応しています。新型コロナウィルスによる影響を乗り切るためにも、是非活用していきましょう。
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