こんにちは。グリー行政書士事務所代表の酒井です。
補助金申請の支援が得意な行政書士として、事業再構築補助金や創業融資のサポートを行なっています。
個人事業主から中小企業・中堅企業まで、幅広い方が対象となっている事業再構築補助金。
新型コロナウィルスによる影響を受け、ビジネスの方向転換のために申請を検討しているという方も多いと思います。
そんな事業再構築補助金の申請の合否を分ける重要な書類が事業計画書です。事業計画書の内容が疎かになっていると、申請が通らない場合がよくあります。
今回は、
- 事業再構築補助金の事業計画書を自分で作成してみたいけど、何から書いていいかよく分からない。
- 事業計画書を一通り書き終わったので、ブラッシュアップしたい。
という方に向けて記事を書いています。
個人事業主の方が事業再構築補助金を申請する際、どのように事業計画書を作成すればよいのか?という点についてご紹介していきたいと思います。
この記事は、事業再構築補助金の公募要領などの情報をもとに作成しています。
事業計画書に書くべき内容は何?
「事業再構築補助金を申請したいけど、そもそも事業計画書ってどんなことを書けばいいの?」とお悩みの方も多いと思います。
そこで、まずは事業計画書に書くべき内容についてご紹介していきます。
事業計画書は、大きく分けて以下の4つの項目に分けて書き進めるのがおすすめです。
1:新規事業の具体的な内容
まずは自社の現状や、新しく始める事業などの具体的な内容について記載していきます。
主な記載内容としては
- 現在の自社の状況について
- 現在の事業の強味や弱味
- 新規事業計画名、およびその概要
- 事業再構築の具体的内容、およびその課題と解決方法
- 事業実施期間の取組みスケジュールについて
- 応募申請する枠と事業再構築の種類
- 新規事業を行うことによる差別化について
- 新規事業実施期間中の事業実施体制
- 再就職支援等、従業員への配慮や取組みについて
などが適切です。
2:将来の展望
次は新規事業の将来の展望について記載します。
どんな市場を想定しているか?新規事業を行うことでどんな効果が得られるか?などに焦点を合わせましょう。
主な記載内容としては
- 新規事業実施の成果について
- 競合他社の動向について
- 新規事業の成果が寄与すると想定している具体的なターゲット
- 新規事業が寄与すると想定しているマーケットおよびその市場規模について
- 新規事業の価格や性能での優位性、および収益性
- 新規事業における課題やリスク、その解決方法について
- 新規事業の事業化目標時期・売上規模・量産化時の製品や価格等
などが適切です。
3:新規事業で取得する主な資産
次に記載するのは、新規事業で取得する主な資産についてです。
こちらでは具体的にどんな資産を得ることが出来るのか?その概要について記載していきましょう。
4:収益計画
最後は収益計画についてです。
こちらでは新規事業の事業化に向けたスケジュールや、付加価値額の算出などを記載します。
事業再構築補助金では、新規事業を始めてから3~5年以内に付加価値額が年率平均3.0%以上となる収益計画を立案するというのが申請要件となっていますので、忘れずに記載しましょう。
主な記載内容としては
- 新規事業の実施体制
- 新規事業の事業化に向けた実施スケジュール
- 資金調達計画について
- 収益計画表
- 付加価値額の算出根拠・実現の道筋
などが適切です。
事業計画書を書く際のポイントとは?
次は、事業計画書を作成する際に気をつけておきたいポイントについて解説していきます。
1:事業環境分析をしっかりと行う
1つ目のポイントは、「事業環境分析をしっかりと行う」ということです。
事業環境分析というのは簡単に説明すると、経済状況や政治、人口の増減、競合他社の動向、自社の状況などなど、自社のビジネスに影響を与えるような環境要因を分析することです。
この事業環境分析をしっかりと行うことによって、「何故事業の方向転換を行う必要があるのか?」「何故事業再構築補助金が必要なのか?」というのが明確になってきます。
どんな必要性があって事業再構築補助金を申請したのかというのは、審査側が最も気になる点の1つです。
そのため、事業環境分析をしっかりと行うことによって事業計画書に説得力が生まれ、採択されやすくなります。自社を取り巻く様々な要因を分析し、詳細に記載するようにしましょう。
2:具体的な数字を盛り込む
事業計画書を作成する際は、具体的な数字を積極的に表していくことが重要です。
具体的な数字というのは分かりやすく、説得力があるので採択される可能性も高まります。
逆に具体性がなく曖昧な箇所が多い事業計画書というのは審査側としても不信感があるため、採択される可能性は低いと言えるでしょう。
可能な限り具体的な数字を割り出し、盛り込んでいくことで信憑性を高めるように努めましょう。
3:表やグラフを積極的に使い、見やすくする
次に抑えておきたいポイントは、「表やグラフを使用する」という点です。
先程具体的な数字を盛り込むことで具体性を増すことが重要とお伝えしましたが、いくら具体的な数字を表しても読みにくい文章だと内容を理解してもらえず、採択を逃してしまう可能性があります。
そうした事態を避けるためにも、表やグラフなどを積極的に使用して事業計画書を見やすく読みやすいものにしておく必要があります。
いくら内容が濃い事業計画書でも、それを読んで審査をするのはあくまで人間です。その点を念頭に入れて作成するようにしましょう。
4:随所に画像を使う
表やグラフ同様、事業計画書の要所要所に画像を使用するというのも重要なポイントです。
例えば、新商品の説明をする際にその商品の画像を添付することで、より読み手にもイメージが伝わりやすくなります。表やグラフなどと同じように、効果的に活用していきましょう。
5:重要部分を強調する
事業計画書を作成する際は、重要な部分などを強調するように工夫するのも大事です。
例えば、文章中の重要部分を赤字にしたり、マーカーで色をつけたりと言った手法があります。
重要部分を強調するようにすることで、より事業計画の要点を読み手に伝えやすくすることが出来ます。
ただし、赤字や太字、マーカーが引かれている部分が多すぎると逆に事業計画書が読みにくくなってしまいます。そのため、本当に重要な部分だけに限定するように吟味しましょう。
事業計画書を書く際の注意点は?
次は、事業計画書を書く際の注意点について解説していきます。
1:決められたページ数内に収める
事業再構築補助金を申請する際に作成する事業計画書は、補助金額が1500万円以下ならA4サイズで10ページ以内、それ以上の金額の場合はA4サイズで15ページ以内で作成するように指定されています。
あくまで上記のサイズ・ページ数で作成するよう協力を呼びかけているだけなので、サイズが違ったりページ数が超過したからという理由だけで落とされるわけではありません。しかし、可能な限り指定のサイズ・ページ数内に収めるようにした方が心証も良くなるでしょう。
2:収益計画が要件を満たしているか?
先程もお伝えしましたが、事業再構築補助金では新規事業を始めてから3~5年以内に付加価値額が年率平均3.0%以上となる収益計画を立案するというのが申請要件となっています。
この基準を満たしていない場合、どれだけ綿密に考えた事業計画書であっても採択されることはありませんので気をつけましょう。
まとめ
今回は事業再構築補助金を申請する際の事業計画書の書き方についてご紹介させていただきました。
事業計画書は事業再構築補助金の採択を決める重要な要素なので、詳細かつ具体的に記載していく必要があります。
また、表やグラフ、画像などを効果的に使って見やすく読みやすいように仕上げるのも重要です。是非今回ご紹介したポイントを意識して作成してみてください。
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