こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
日本政策金融公庫の創業融資支援をしております。
これから事業を始める方、あるいは起業して間もない方の中には、日本政策金融公庫の創業融資に着目している方がたくさんいらっしゃいます。
日本政策金融公庫ではさまざまな融資制度が提供されていますが、特に注目されている制度の中に『新創業融資』があります。
ここでは、新創業融資の概要と共に、注意点、審査内容について解説していきます。
新創業融資制度とは
資金の使いみち | 新たに事業を始める事業開始後に必要とする設備資金および運転資金 |
ご利用いただける方 | 新たに事業を始める方、または税務申告を2期終えていない方新たに事業を始める方、または税務申告を1期終えていない方は創業資金総額の10分の1以上の自己資金が確認できること |
融資限度額 | 3,000万円(うち運転資金1,500万円) |
返済期間 | 各融資制度に定めるご返済期間以内 |
担保・保証人 | 原則不要 ※原則、無担保無保証人。法人の代表者が連帯保証人となることが可能で、その場合の利率は0.1%低減される。 |
新創業融資制度とは、日本政策金融公庫が提供する融資制度で、新たに事業を始める方や事業開始してから税務申告を2期終えていない開始間もない方が利用できます。
スモールビジネスの支援が目的であるため、個人事業主や中小企業に対しても、創業時の資金として融資をしてくれます。
担保や保証人は原則不要となっていますが、無担保無保証人で利用するためには、単独で利用できず、他の融資制度と組み合わせて利用することが求められています。
新創業融資制度の特徴についてご紹介しましょう。
新創業融資制度の特徴
- 新たに事業を始める方、または事業開始2期を終えていない方
- 新たに事業を始める方、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方
- 金利は基準金利のほかに、特別金利がいくつかの条件で設定されている
- 原則、無担保無保証人で利用できる
新創業融資制度の特徴をまとめてみると、上記のようなポイントが挙げられます。
利用できる要件として、『対象者』『自己資金』の要件に分けられています。
対象者としては、新たな事業を始める方、または税務申告を2期終えていない方となっており、自己資金の要件は、対象者の中で、『新たな事業を始める方』『創業資金総額の10分の1以上の自己資金』となっています。
自己資金の額については、いくら必要になるという目安は設けられておらず、事業計画に基づく希望融資額によって異なることになります。
金利は、無担保無保証人での融資を希望する場合には、基準金利として2.30%~3.35%と定められており、一定の条件を満たしている時には特別金利が採用されます。
原則、無担保無保証人で利用できますが、無担保無保証人を希望する場合には、他の融資制度と組み合わせなければなりません。
新創業融資制度の注意点
- 利用のための要件を満たす必要がある
- 無担保無保証人で利用するには他の融資制度と組み合わせなければならない
- 担保・保証人の有無など、要件によって利率が変動する
個人事業主や中小企業といったスモールビジネスを展開する経営者にとって有益な融資制度ですが、利用のための要件を満たしておかねばなりません。
審査基準は未公開となっており、提出書類をはじめ、日本政策金融公庫の担当者との面談においてプレゼンテーションを行い、融資の判断がなされることになります。
特に、事業計画や事業に対する業務経験を重視される傾向にあり、ほかにも自己資金や信用情報においても確認されます。
また、原則的に無担保無保証人で利用できるものの、無担保無保証人を希望する場合には、単体で利用できず、ほかの融資制度を組み合わせなければなりません。
さらに利率は基準利率が設けられていますが、要件を満たした場合には特別利率が採用される可能性があります。
無担保無保証人を希望する場合、基準利率は2.30%~3.35%で、特別利率については0.90%から2.95%の間で、いくつかの条件が設定されています。
担保を提供した場合には、基準利率が1.05%~2.70%となり、特別利率は0.30%から2.30%の間で設定されることになります。
新創業融資制度と組み合わせて利用する融資制度について
上記でもお伝えした通り、新創業融資制度の申込みにおいて、無担保無保証人での融資を希望する場合には、ほかの融資制度を組み合わせて利用しなければなりません。
組み合わせる融資制度には、次のものが挙げられます。
新規開業資金
資金の使いみち | 新たに事業を始める事業開始後に必要とする設備資金および運転資金 |
ご利用いただける方 | 新たに事業を始める事業開始後おおむね7年以内 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内)運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内) |
担保・保証人 | 相談 |
新規開業資金は、新たに事業を始める方や、事業を始めておおむね7年以内の方が利用できる融資制度で、この制度を単体で利用することもできます。
設備資金や運転資金に活用することができ、それぞれに返済期間が異なります。
設備資金は20年以内(うち据置期間2年以内)であり、運転資金は7年以内(うち据置期間2年以内)となっています。
利率については、基準金利が定められていますが、一定の要件に該当していれば、特別利率が適用になることもあります。
女性、若者/シニア起業家支援資金
資金の使いみち | 新たに事業を始める事業開始後に必要とする設備資金および運転資金女性または35歳未満か55歳以上の方 |
ご利用いただける方 | 新たに事業を始める事業開始後おおむね7年以内 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内)運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内) |
担保・保証人 | 相談 |
女性、若者/シニア起業家支援資金は、女性・若者・シニアといった『人』を要件にしている融資制度となっているのが特徴です。
女性、もしくは35歳未満、あるいは55歳以上であり、新たに事業を始める方、または事業を始めておおむね7年以内の方が利用できます。
女性には年齢は定められていませんが、男性の場合には年齢要件が定められている点に注意が必要です。
新創業融資制度の審査について
新創業融資制度の審査基準は公表されていませんが、融資を受けるには必ず審査に通過しなければなりません。
また、希望金額が満額融資されるかどうかも、審査によって決められるため、場合によっては希望金額通りに融資されない可能性があるため注意が必要です。
日本政策金融公庫の融資制度は、定められた書類を提出し、担当者との面談の中で事業計画をもとにして経験や実績を踏まえて判断されることになります。
事業計画の内容に対して質問される傾向にあるため、担当者に対してしっかりと説明できるように準備しておく必要があると意識しておきましょう。
事業内容はもちろん、自己資金の確認をはじめ、融資資金の根拠についても確認されることになります。
また、計画内容によっては、事業に許認可が必要になる場合や、融資資金の根拠として見積書などが必要になる場合がありますが、それらのコピーを求められる可能性があります。
何が求められるかについては、事業計画の内容によって異なりますから、事前に日本政策金融公庫に確認しておくといいでしょう。
まとめ
新創業融資制度について、その特徴や注意点、新規開業資金との組み合わせ、審査について、ご紹介しました。
スモールビジネスの支援を目的としているため、これから事業を始める、もしくは事業を始めて間もない個人事業主や中小企業ではうまく活用することを検討してみましょう。
融資を受けるためには、事業計画をもとにして、さまざまな内容を踏まえながら審査が行われます。
面談において詳しく質問されることになりますので、しっかりと準備したうえで、アピールしなければなりません。
グリー行政書士事務所では、無料相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。