こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
創業資金を工面するために、公庫の創業融資を検討しているという方も多いと思います。
しかし、一言に創業融資を受けると言っても様々な書類を準備しなくてはいけませんし、各種手続きもあります。また、借入後の利率なども気になっている方は少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は、公庫から創業融資を受ける際に必要となる書類や公庫の利率、借入までの流れについてご紹介していきたいと思います。
公庫から借入するまでの流れとは?
まずは公庫に創業融資の相談をし、借入するまでの流れについてご紹介していきます。
公庫から創業融資を受けるまでの流れは
- 日本政策金融公庫の支店に訪問する
- 必要書類を提出し、借入の申込みをする
- 日本政策金融公庫の融資担当者と面談する
- 日本政策金融公庫で融資審査をする
- 結果が届く
という形になっています。
次は、それぞれのステップについて詳しくみていきましょう。
1:日本政策金融公庫の支店に訪問する
まずは日本政策金融金庫(公庫)の支店にアポイントを取り、訪問して創業融資を受けたいという旨を相談しましょう。
この段階で書類を提出してすぐ申込みをするということも出来ますが、まずは相談に留め、窓口の方と話をすることによって分からないことなどを質問することが出来ますし、その後の面談の雰囲気などを掴むことが出来ます。
2:必要書類を提出し、借入の申込みをする
窓口での相談が終わったら、次は必要書類を準備して提出し、正式に借入を申込みましょう。
必要な書類については後述します。
3:日本政策金融公庫の融資担当者と面談する
必要書類を提出すると、2~3日ほどで公庫から面談日の通知が来ます。(通知は多くの場合郵送で送られます。)
通知に記載されている日時に合わせて支店に向かい、面談を行いましょう。
面談では主に創業計画書に書かれた事業計画について質問されることが多いので、淀みなく答えることが出来るようにあらかじめ回答を想定しておくといいでしょう。スムーズに応えられる方が綿密に創業計画を立てているというイメージを与えることが出来ますので、評価も高くなります。
面談の後は事務所や店舗などに赴き、実地調査をする場合が多いので、そちらも準備しておきましょう。また、面談の内容によっては追加の資料を要求されることもあります。
その他、面談を行う担当者も人間ですので、面談の結果が印象に左右されることは当然あります。そのため、言葉遣いや身なりに注意を払い、不快感や不審な印象を与えないように注意することも大切です。
4:日本政策金融公庫で融資審査をする
面談が終わった後は面談や提出した資料の内容を吟味するため、公庫の方で審査が行われます。
審査の結果は面談後1~2週間ほどで通知されますので、結果が出るまで待ちましょう。(不合格の場合も通知が来ます。)
また、融資可能と判断された場合でも、希望額全てではなく減額されての融資となることもよくあります。
5:融資実行
合否の通知が来て、受かっていた場合はその後の指示に従って手続きすることで融資を受けることが出来ます。
実際に創業融資金が振り込まれるのは手続きをしてから数日後となります。
創業融資を申請するのに必要な書類とは?
次は、公庫で創業融資を受けるのに必要な書類についてご紹介していきます。
創業融資を受ける上で準備・提出する書類は以下の通りです。
- 借入申込書
- 創業計画書
- 通帳コピー
- 履歴事項全部証明書の原本
- 見積書
- 不動産の賃貸借契約書
- 資金繰り計画書
- 許認可証
- 運転免許証コピー
- 印鑑証明書(法人のもの)
- 水道光熱費の支払資料
- 関連会社の決算書
- 知事の推薦書
次は、上記の中で特徴的なものについて解説していきます。
1:借入申込書
借入申込書は公庫から創業融資を受ける際に必要となる基本的な書類の1つです。
こちらは日本政策金融公庫のHPからダウンロードすることが可能です。
借入申込書では借入希望金額や希望の返済期間、資金の使途などを記入する必要があります。
返済期間などは公庫の融資制度のうちどれを利用するかによっても変わってきますので、借入申込書の書き方に不安がある場合は窓口に行った段階で相談し、不明点を明確にしておくのがいいでしょう。
2:創業計画書
創業計画書は創業融資を受ける際に提出する書類の中でも特に重要なものとなります。
創業計画書は創業の動機や経営者の略歴、これから取り扱う商品や開始するサービス、資金の調達方法、事業の見通しなどを記入する必要があります。
創業計画書の内容がしっかりとしているかどうかは、融資を受けられるかどうかに直結する重要な要素です。可能な限り詳細で綿密な創業計画を記入しましょう。
また、創業計画書は借入申込書同様、公庫のHPからダウンロード可能です。各支店にも用紙が用意されていますので、自分に合った方法で入手しましょう。
3:履歴事項全部証明書の原本
こちらは事業(法人)の名称や本店所在地、代表者などの情報が記載された書類です。
法務局で入手することが出来る他、「登記ねっと」や「供託ねっと」などを利用してネット上から請求することも可能です。
4:見積書
こちらは創業にあたって設備投資がある場合に必要となる書類です。該当する場合は忘れずに準備するようにしましょう。
5:資金繰り計画書
こちらは創業後の月別売上高や仕入高、経費、利益とその算出根拠を記入する書類です。
必ず提出しなくてはいけない書類というわけではないのですが、提出することでより綿密な事業計画を練っているということを担当者にアピールすることが出来ます。
こちらも公庫のHPや各支店で入手することが可能です。
6:許認可証(許認可が必要な場合)
こちらは何かしらの許認可が必要な事業を行う際に必要となります。
業種によっては不要ですが、当てはまる場合は忘れずに準備しましょう。
7:水道光熱費の支払資料
水道費や光熱費の支払いに関する資料も必要ですが、こちらは通帳のコピーから把握することが出来る場合割愛されることも多いです。
ただし、後から必要と言われた時に二度手間となってしまうので、念の為準備しておくに越したことはないでしょう。
8:知事の推薦書(生活衛生関係の事業、500万円超の融資)
こちらは生活衛生関係の事業を行う場合や、500万円以上の融資を希望する場合に必要となります。
公庫の創業融資の利率はどれくらい?
最後に公庫の創業融資の利率についてご紹介していきます。
公庫の創業融資である新創業融資制度は基準利率と6つの特別利率が定められています。それぞれの利率は以下の通りです。
- 基準利率:2.51~2.58%
- 特別利率A:2.11~2.18%
- 特別利率B:1.86~1.93%
- 特別利率C:1.61~1.68%
- 特別利率E:1.11~1.18%
- 特別利率J:1.46~1.53%
- 特別利率P:2.31~2.32%
基本的には基準利率が適用されることが多いですが、女性の起業者であったり、35歳未満、または55歳以上の男性の場合など、特定の条件を満たしている場合は利率が低い特別利率が適用される場合があります。
実際にどの利率になるかは融資決定まで通知されません。
まとめ
今回は公庫の創業融資の必要書類や融資決定までの流れ、利率などについてご紹介させていただきました。
公庫は他の創業融資に比べて比較的借入やすく、利率も低めです。
ただし、借入するには必要書類をしっかりと揃えたり、面談などをパスする必要があります。しっかりと準備しておきましょう。