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2024.04.22

【宅建業の開業】免許取得の条件や申請費用について行政書士が解説します。*図表で解説

こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
宅建業許可の申請代行を行なっています。

宅建業の開業について解説するブログにお越しいただき、ありがとうございます。
この記事では、宅建業を開業したい方々の悩みや関心に寄り添いつつ、免許取得の条件や申請費用について行政書士の私が丁寧に解説していきます。

このブログを見ている方々は、さまざまな背景や目標をお持ちだと思います。

  • 自分の夢を追いかけたいけど、宅建業ってどのような免許が必要なんだろう?
  • 開業に向けて具体的な準備はどうしたら良いのか?
  • 宅地建物取引士の免許取得にはどのくらいの費用がかかるのか気になる

というお考えの方が多いのではないでしょうか。

なかには、「宅建業は将来性があるのかな?」と不安を抱えている方もいるでしょう。

そんな皆様の疑問や悩みにお応えするために、本記事では宅建業の免許取得に必要な条件や申請費用について詳しく解説していきます。
この情報を通じて、皆様が宅建業の開業に向けた一歩を踏み出す手助けができれば幸いです。

それでは、さっそく宅建業の免許取得に関する条件や申請費用について詳しくご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

【宅建業の開業】免許取得の条件や申請費用について

1:宅建業の開業 免許取得の条件

宅建業の開業における免許取得の条件は、重要な要素となります。免許を取得するためには、一定の基準を満たす必要があります。

要件としては、大きく以下の4つです

  1. 開業基準に適した事務所の設置
  2. 宅地建物取引士が最低1人必要
  3. 欠格事由がない
  4. 営業保証金の供託または保証協会への加入

◾️要件1:開業基準に適した事務所の設置

開業基準に適した事務所とは、以下の2つ両方ともを満たしている必要があります。

  • 継続的に業務を行うことができる施設
    例:テント張りやコンテナ等の仮設店舗、キャンピングカー等の移動車両での営業は認められません。
  • 他業者や個人の生活(居住)部分と独立
    具体的には、他法人や個人事務所との混在や、生活部分との混在は許されません。

    ただし、一つのテナントを共同使用している場合でも、仕切られた固定式のパーテーションなどで事務所が独立しており、他の事務所を通らずに直接出入りできる場合には、認められることもあります。特に、事務所兼自宅で宅建業を行う場合は、事務所部分と居住部分を明確に区別する必要があります。

以下は、事務所の独立性についての図になります。

また、法人は登記上の本店が宅建業の「主たる事務所」になる必要があります。
従って、宅建業を行うのは支店のみでも、本店も「宅建事務所」として登録が必要です。
そのため、本店・支店それぞれについて、宅建業の要件を満たす必要があります。

◾️要件2:宅地建物取引士が最低1人必要

宅地建物取引業を始めるためには、必要なのが「宅地建物取引士」の資格を持った専属従業員です。

宅地建物取引業を営むためには、最低でも「専任の宅地建物取引士」を一人用意する必要があります。
専任の宅地建物取引士は、事務所の従業員の数に応じて必要な人数を確保する必要があります(5人ごとに1人)。これには代表者やアルバイトといった立場や関係は関係ありません。

宅地建物取引士を専任で採用するためには、以下の条件を満たす者である必要があります。

  1. 宅地建物取引士の資格試験に合格していること。
  2. 試験合格後、都道府県知事から資格登録を受けていること。
  3. 資格登録後、宅地建物取引士証を発行していること。

つまり、宅地建物取引士証を持っていない人は、宅地建物取引士としての業務を行うことはできません。これらの条件を満たし、宅地建物取引士として認められた人を専任で雇うことが求められます。

また、代表者が宅地建物取引士でなければならないという必要はありません。
代表者と宅地建物取引士の従業員2人で開業する方も多くいます。
また、代表者が専任の宅地建物取引士も兼任することも可能です。つまり、代表者が専任の宅地建物取引士であれば、1人でも宅地建物取引業を営むことができます。

◾️要件3:欠格事由がない

宅地建物取引業の免許取得の審査では、宅地建物取引業法で定められた欠格事由を確認します。
個人や法人の場合でも、一つでも欠格事由に該当すると、免許を取得することはできません。

以下に、主な欠格事由をご説明します。

  1. 未成年である
  2. 破産している
  3. 禁固以上の刑に処されたことがある
  4. 罰金刑を受けてから5年が経過していない
  5. 暴力団に所属している

これらの欠格事由に該当する場合、申請しても営業許可は下りません。
また、法人の場合には、申請者だけでなく役員や上級職にも該当者がいないかを確認する必要があります。

免許取得を目指す際には、欠格事由に該当しないことを確認し、審査に通るよう準備をすることが重要です。

◾️要件4:営業保証金の供託または保証協会への加入

宅地建物取引業の免許取得だけでは、宅地建物取引の営業を開始することはできません。
営業を開始するためには、免許を取得した後、3ヶ月以内に次のいずれかを行う必要があります。

  1. 営業保証金(弁済業務保証金)を供託する
  2. 保証協会に加入する

この手続きを経ることなく、免許証を受け取った場合や期日が経過した場合には、免許は取り消され、営業を無許可で開始した場合には、刑事罰の対象となりますので、ご注意ください。

なお、下記に記載しますが1と2では加入費用が大きく異なりますのでご注意下さい。

①営業保証金を供託する場合
所定の営業保証金は、本店(主たる事務所)が1000万円、支店(従たる事務所)が1店舗につき500万円です。

営業所の種類営業保証金の費用
主たる事務所(本店)1,000万円
その他の事務所(支店)1ヶ所につき500万円

②保証協会に加入する場合
営業保証金の供託にかわり、指定の「保証協会に加入」+「弁済業務保証金分担金」を納付することで免許を取得することも可能です。

「保証協会」とは、国(国土交通省)から指定を受けた公益法人で、加盟する宅地建物取引業者に対し、顧客の苦情解決、従業者の研修、取引により顧客が被った損害や債権の弁済、債務の保証などを行っています。
加入できる保証協会は、全国宅地建物取引業保証協会(ハトのマーク)と不動産保証協会(ウサギのマーク)の2つがあります。
宅地建物取引業の免許を取得し、保証協会に加入したい場合は、どちらか1つの団体に加入する必要があります。

なお、所定の弁済業務保証金分担金は、本店(主たる事務所)が60万円、支店(従たる事務所)が1店舗につき30万円です。

営業所の種類弁済業務保証金分担金の費用
主たる事務所(本店)60万円
その他の事務所(支店)1ヶ所につき30万円
宅建協会宅建協会の入会金
全国宅地建物取引業協会連合会約130万~180万円
全日本不動産協会約160万円
東京都の場合

宅建協会に入会し、弁済業務保証金分担金を収めることにより、開業時の初期費用を抑えられます。
また、宅建協会に加入すると、営業保証金の供託が免除されるほか、レインズを利用できる指定流通機構の会員になれたり、業界の情報や経営に役立つ情報が得られたり、万が一のときのサポートが受けられたりするなどのメリットもあります。

【宅建業】申請代行の特設ページはこちら>>

2:宅建業の開業 申請費用

宅地建物取引業免許の申請手数料

宅建業を営むにあたり、国土交通大臣または都道府県知事による登録免許が必要です。
免許登録にかかる手数料については、“国土交通大臣免許”と“都道府県知事免許”の2つの免許区分によって異なります。

▼宅地建物取引業免許の申請手数料

区分宅建業免許申請費用(収入印紙代)
1つの都道府県に事務所を設立する場合都道府県知事免許3万3,000円
2つ以上の都道府県に事務所を設立する場合国土交通大臣免許9万円

3:申請手続きの流れ

最後に、宅建業許可取得のおおまかな流れについてご説明します。
開業手続きは、とても大変ですので一つ一つ流れを理解しておく必要があります。
なお、宅建業免許申請書類を提出〜宅建業免許証を受けるまで、知事免許では2~3か月程度かかります点をご留意ください。

  1. 申請書類+保証金の準備
    初めに、宅建業免許申請書と保証協会入会書類を用意します。申請に必要な書類を正確に作成し、公的証明書類も収集します。
    公的証明書類としては、役員の身分証明書や登記されていないことの証明書が必要です。本籍地からの取得については、市区町村に問い合わせて手続きを進めましょう。同時に保証協会の入会書類も準備します。代表取締役の方には連帯保証人となることが求められるので、会社の印鑑証明書と代表者個人の印鑑証明書も必要です。
  2. 免許の申請手続き
    準備が整ったら、行政窓口で免許の申請手続きを行います。
    窓口で事業に関する質問をされる場合もあるので、事前に事業内容について簡潔に説明できるように準備しましょう。手続きが終われば手数料を支払い、申請は完了です。
  3. 保証協会への入会手続き
    保証協会に加入する場合には、免許申請が完了したら、保証協会への入会手続きを進めましょう。入会する協会や支部によって手続きが異なる場合もありますので各支部のHPを参照ください。
  4. 行政庁で審査
    申請後、行政庁で審査が行われます。
    知事免許の場合、申請期間は一般的に30日から40日程度です。原則として事務所調査は行われませんが、電話での確認があるかもしれないので、事務所の電話は常に応答できる状態にしておきましょう。
  5. 免許通知の配達
    審査を通過すると、免許通知が申請者の事務所本店に送られてきます。免許通知は転送されないため、到着の確認に注意してください。
  6. 営業保証金を供託
    営業保証金を供託する場合は、免許通知が届いたら迅速に営業保証金を供託しましょう。
    供託が完了したら、供託済届出書を行政窓口に提出します。手続きには期限があるので、注意してください。
    保証協会に加入する場合も、加入の連絡をすぐに行いましょう。免許証の交付までにはさらなる時間がかかる場合があります。
  7. 宅地建物取引業免許証が交付
    宅地業免許証が交付されます。
    供託の場合は、供託済届出書と引き換えに免許証を受領します。
    保証協会に加入した場合は、協会から免許証が交付されます。免許証を受け取り、宅建業の事業を開始することができます。

4:宅建業の将来性について

最後に、宅建業に将来性についてご説明します。
宅建業は、将来的にも需要が続くと考えられていますので、これから開業する方はビジネスチャンスが大きいと思います。宅建業は将来的にも需要が続くと考えられている理由は、下記の3つになります。

  1. 住宅需要の永続性
    はじめに、住宅需要の永続的な存在が宅建業の将来性を支えています。住宅は人々の生活にとって不可欠な要素であり、経済的な成長や人口増加に伴って需要が高まる傾向があります。特に都市部では土地の希少性から、住宅価格が上昇しています。これにより、住宅購入を希望する人々が増え、宅建業の需要も拡大しています。
  2. 法律や規制の複雑化
    次に、法律や規制の複雑性が宅建業の需要を支えています。住宅売買や賃貸契約には様々な法的手続きや契約書の作成が必要です。これらの手続きは一般の人々にとって難解なものであり、専門家のアドバイスや支援を求める需要が高いです。宅建業者は法律や規制に詳しく、クライアントを助けるための専門知識やスキルを持っています。そのため、これらのサービスは需要があることが予想されます。
  3. 技術の進歩
    最後に、宅建業界は技術の進歩によって変化しています。
    インターネットやスマートフォンの普及により、情報の収集や物件の検索が容易になりました。しかし、専門家の助言や交渉力は依然として重要です。AIやビッグデータの活用も進んでおり、クライアントにとってより効果的な物件の選定や契約の進行を支援することができます。

以上の要因から、宅建業は将来的にも需要が続くと考えられます。ただし、競争が激しくなる可能性もあるため、専門知識の継続的な向上やテクノロジーの活用が求められていく点も重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。本記事では、【宅建業の開業】免許取得の条件や申請費用についてをお伝えしました。
開業まで、意外にも時間と手間がかかるのが宅建業です。一つ一つクリアにしながら開業ぬ向けて準備していきましょう。将来性の高い、宅建業界への開業を応援しています。

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