農地転用・開発許可に強い 千葉県柏市の行政書士

【系統用蓄電池】開発許可の適用除外とは?

こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
系統用蓄電池設置に向けたサポートをしています。

最近、事業者さまからとても多いのが、
「系統用蓄電池は開発許可の適用除外になると聞いたのですが…」
というご相談です。

その根拠として、今回ご質問にあった
令和7年4月8日 国土交通省
「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて(技術的助言)」

が挙げられることがほとんどです。

この記事では、この通知が
「何を言っていて、何を言っていないのか」
を、初めての方にも分かるよう丁寧に解説します。


そもそも「開発許可の適用除外」とは?

都市計画法では原則として、

  • 建築物の建築
  • 特定工作物の建設
  • 土地の区画形質の変更

を目的とする行為は、**開発許可(都市計画法29条)**が必要です。

一方で、
そもそも開発行為に該当しないもの
については、開発許可は不要となります。

これを実務上、
「開発許可の適用除外」と呼ぶことがあります。


系統用蓄電池は自動的に適用除外になる?

結論からお伝えすると、

👉 自動的に適用除外になるわけではありません。

今回の技術的助言は、
「開発許可が不要」と断言する通知ではなく、
開発許可制度の中での“正しい位置づけ”を整理したもの
です。


国交省の技術的助言のポイント

ポイント① 発電所扱いしない蓄電池が前提

通知ではまず、

  • 電気事業法上の「発電事業」に該当しない
  • 純粋な系統用蓄電池(BESS)

を対象としています。

つまり、
発電所=建築物という整理では考えない、
という前提です。


ポイント② 危険物を含む可能性があることを前提にする

次に重要なのが、

  • リチウムイオン電池等を搭載
  • 都市計画法施行令第1条第1項第3号の
    危険物を含有する可能性

を前提に整理している点です。


ポイント③ 第一種特定工作物に「なり得る」

ここが最大のポイントです。

通知では、

危険物の貯蔵に供する工作物として
第一種特定工作物に該当し得る

と明確に示しています。

つまり、

  • 建築物ではない
  • だから開発許可不要

ではなく、

👉 「建築物ではないが、
第一種特定工作物として
開発許可制度の対象になり得る」

という整理です。


「適用除外」と誤解されやすい理由

この通知の中では、あわせて
平成25年 国住指第4846号
(蓄電池専用コンテナは建築物に該当しない)
が引用されています。

そのため、

  • 無人
  • 単体設置
  • 最小限の空間

のコンテナ型蓄電池について、
「建築物じゃない=開発許可不要」
と誤解されがちです。

しかし実際には、

❌ 建築物ではない
⭕ 第一種特定工作物として検討対象

という整理になります。


市街化調整区域ではどうなる?

技術的助言では、さらに重要なことが書かれています。

市街化調整区域に設置する場合、
都市計画法34条14号等の運用にあたっては、
必要に応じて審査基準を策定し、
地域の実情に応じた運用が望ましい

これはつまり、

  • 一律にダメとはしない
  • 自治体ごとに
    • 条件
    • 基準
    • 判断

を設けて検討できる余地がある
という、非常に実務的で前向きな内容です。


注意|開発許可以外の法律は別途必要です

たとえ開発許可が不要、または整理替えできたとしても、

  • 農地転用(農地法4条・5条)
  • 盛土規制法
  • 景観法
  • 消防法(危険物・少量危険物)
  • 電気事業法(発電事業者該当性等)

別途必ず検討が必要です。

特に系統用蓄電池は、
「どの法律にも少しずつ引っかかる」
のが特徴です。


まとめ|正しい理解は「適用除外」ではなく「整理」

今回の国交省通知を一言でまとめると、

系統用蓄電池は
建築物か否かだけで判断せず、

危険物性・工作物性を踏まえ、
第一種特定工作物として
開発許可制度の中で
丁寧に整理しましょう

というメッセージです。


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