こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
系統用蓄電池設置に向けたサポートをしています。
近年、「系統用蓄電池(BESS)」への関心が急速に高まっていますが、
実際に設置しようとすると、想像以上に“法規制の壁”が多いと感じる方がほとんどです。
今回は、
👉 これから系統用蓄電池を設置したい事業者様向けに実務で特につまずきやすい“設置ポイント”
を、できるだけ噛み砕いてお伝えします。
① そもそも「系統用蓄電池」とは?
系統用蓄電池とは、
電力系統(送配電網)に直接つながり、電気をためて・必要なときに放電する設備のことです。
太陽光などの発電設備に“付属”する蓄電池とは異なり、
単独で系統につながる点が大きな特徴です。
この違いが、
- 電気事業法
- 建築基準法
- 消防法
- 都市計画法
などの取り扱いに大きく影響します。
② 発電事業者に該当する?しない?
よくあるご質問がこちらです。
「電気を売るわけじゃないけど、発電事業者になりますか?」
結論から言うと、
“電気を発生させるかどうか”ではなく、制度上どう位置づけられるかがポイントです。
経済産業省の整理では、系統用蓄電池は
「発電設備」ではなく「電力貯蔵装置」として扱われます。
根拠条文:
- 電気設備に関する技術基準を定める省令 第1条19号
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=409M50000400052
ただし、
- 一定規模以上(出力・容量)
- 系統に単独接続
の場合は、電気事業法上の各種届出・保安規制が必要になります。
👉 「発電事業者届出が必要かどうか」は
容量(kWh)・出力(kW)・系統との関係をセットで判断します。
③ 建築物に当たる?当たらない?
これも非常に重要なポイントです。
国土交通省の技術的助言では、
以下のように整理されています。
- 地面に自立して設置
- 蓄電池と必要最小限の設備のみ
- 無人運転
- 人が常時立ち入らない
👉 この条件を満たす専用コンテナ型蓄電池は「建築物に該当しない」
根拠資料:
- 国住指第4846号(平成25年3月29日)
「蓄電池を収納する専用コンテナに係る建築基準法の取扱いについて」
https://www.mlit.go.jp/common/001027705.pdf
⚠️ ただし注意点
- コンテナを複数段に積む場合
- 人が常時入る前提の構造
この場合は、建築物扱いとなり、
建築確認が必要になる可能性があります。
④ 消防法|危険物に該当するか?
リチウムイオン電池を使うケースが多い系統用蓄電池では、
消防法との関係も必ず確認が必要です。
ポイントは、
👉 電解液等が「危険物」に該当するか
👉 指定数量を超えるかどうか
根拠法令:
- 消防法 第2条第7項
- 危険物の規制に関する政令 別表第三
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000186
指定数量を超える場合は、
- 危険物施設の「許可」
- または「少量危険物届出」
が必要になります。
🔥 設置後ではなく、設計段階での確認が必須です。
⑤ 土地の規制|開発許可・農地転用・盛土規制
意外と見落とされがちなのが、土地側の法規制です。
特に多いのが、
- 市街化調整区域
- 農地(田・畑)
- 造成を伴う計画
この場合、
- 都市計画法(開発許可)
- 農地法4条・5条(農地転用)
- 盛土規制法
- 景観法
などが複合的に絡みます。
👉 「蓄電池だから特別扱い」にはなりません
👉 通常の開発と同じ目線でチェックされます
⑥ EPC会社選びも“実は重要”
設置の可否・スケジュールは、
EPC会社(設計・施工会社)の知見に大きく左右されます。
- 行政協議に慣れているか
- 図面・仕様が法令を理解した内容か
- 消防・電気・開発の連携が取れているか
当事務所では、
👉 これから新しく始めたい方向けに、信頼と実績のあるEPC会社のご紹介(無料)も行っています。
まとめ|早い段階での整理が成功のカギ
系統用蓄電池は、
「設備」+「電気」+「土地」+「建築・消防」
すべてが絡む、非常に総合的なプロジェクトです。
だからこそ、
- 事業検討の初期段階
- 土地を押さえる前
- EPC選定前
このタイミングで一度、
法規制を整理することが、最大の近道になります。
「これ、どこに相談すればいいかわからない…」
そんな時は、ぜひ一度ご相談ください。