こんにちは。千葉県柏市のグリー行政書士事務所、代表の酒井です。
当事務所では「農地転用」や「都市計画法の開発許可」といった土地活用に関わる手続きを専門に扱っています。
「親から引き継いだ農地を宅地にして家を建てたい」
「遊休農地を駐車場や資材置き場にしたい」
こうしたご相談をいただくと、ほぼ必ず聞かれるのが
👉 『農地転用って費用はいくらかかるんですか?』 という質問です。
特に「300坪(約1,000㎡)」くらいの農地を転用する場合は、面積が広いため測量や造成も必要になり、想像以上にお金がかかることもあります。
この記事では、300坪の農地を転用する場合の費用目安と、費用を抑える工夫をわかりやすく解説します。
農地転用とは?なぜ費用がかかるの?
農地転用とは「農地を農地以外の用途にすること」です(農地法第4条・第5条参照)。
たとえば田んぼを住宅地にしたり、畑を駐車場にしたりすることが農地転用にあたります。
ただし、農地転用は「申請書を出せば終わり」ではありません。
- 境界をはっきりさせるための測量
- 書類作成(登記事項証明、公図、土地利用計画図など)
- 資金計画の裏付け(預金残高やローンの事前審査)
- 都市計画法の開発許可が必要な場合も
こうした準備や手続きに専門家や測量士が関わるため、費用がかかるのです。
300坪の農地転用にかかる費用の目安
① 農地転用の申請費用
- 行政書士報酬:20万~50万円程度
- 書類取得費用(登記事項証明、公図など):1万~2万円
👉 合計:約30万~60万円
② 測量・分筆費用
広さが300坪ともなると、境界を明確にして一部を分筆するケースが多くなります。
- 確定測量:50万~150万円程度
- 分筆登記:20万~40万円程度
👉 測量はケースによって差が大きく、「隣地の立ち合いが必要」「境界杭が見つからない」などで時間も費用も膨らみます。
③ 都市計画法の開発許可(必要な場合のみ)
市街化調整区域や青地の場合、農地転用だけでは足りず「開発許可」が必要になることがあります。
- 開発許可申請費用:100万~300万円以上
- 設計・造成費用:数百万円規模になることも
👉 「300坪を分譲住宅にしたい」などの場合は、こちらの費用がメインになります。
千葉・茨城・埼玉での事例別シミュレーション
ケース1:300坪を駐車場にしたい
- 農地転用申請:30万円
- 測量:60万円
- 造成(砂利敷き・フェンス):100万円
👉 合計:約200万円前後
ケース2:300坪に一戸建てを建てたい(市街化区域)
- 農地転用申請:40万円
- 測量・分筆:80万円
- 開発許可:不要
👉 合計:約120万円前後
ケース3:300坪を分譲住宅用地にしたい(調整区域)
- 農地転用申請:50万円
- 測量・分筆:100万円
- 開発許可:200万円以上
- 造成工事:数千万円規模
👉 合計:数百万円~数千万円
費用を抑える5つの方法
「できるだけ安く済ませたい」というのは誰もが思うところ。
実は、ちょっとした工夫でコストを下げられる場合があります。
1. 転用する面積を絞る
300坪すべてではなく、家や駐車場に必要な部分だけを転用する。
2. 測量・分筆を一度に済ませる
将来の利用計画も考えて、まとめて測量すると二度手間を防げます。
3. 市街化区域内を選ぶ
市街化区域なら「届出」で済むため、費用は大幅に減ります。調整区域は開発許可が必要で費用が跳ね上がります。
4. 融資の事前審査を早めに
資金計画の裏付けが遅れると補正ややり直しが発生し、余計な費用や遅延につながります。
5. 専門家に早めに相談する
「自分でやれば安くなる」と思いがちですが、補正や申請ミスで結局費用が増えることも。最初に道筋を整理してもらうことでトータルコストを抑えられます。
まとめ
- 300坪の農地転用にかかる費用は 最低でも100万円前後、場合によっては数百万円規模
- 駐車場か、住宅か、分譲かで費用は大きく変動
- 千葉・茨城・埼玉では調整区域や青地の案件が多く、開発許可や農振除外で時間と費用がかかる
- コストを抑えるコツは「転用面積を絞る・測量をまとめる・市街化区域を選ぶ」
まずは市役所に相談し、計画を具体的にしてみましょう。
そのうえで「これは自分だけでは難しい」と感じたら、行政書士に相談するのが安心です。