こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
この記事を見ているあなたは
「千葉県で特定建設業許可を取得したい」
「これから建築業界に参入したい」
「令和2年の改正で緩和された特定建設業許可の新要件を知りたい」
と考えている方が多いかと思います。
特定建設業許可の要件を自分で調べるのは大変ですよね。国土交通省や千葉県のホームページを確認すると100ページを超える手引きしかなく、建設業許可の概要を把握するのにとても時間がかかります。
また、令和2年に建設業許可の要件が改正されたこともあり、インターネットで情報を得ようとしてもどの情報が新要件であるかを見分けることも難しいです。
そこでこの記事では「千葉県の特定建設業許可のための要件<令和2年改正後の新要件>」についてご紹介します。
行政書士であり、建築業許可に詳しい私が「シンプルに分かりやすく」をモットーに解説していきます。
千葉県での「一般建設業許可」を取得したい方はこちらの別記事にをご用意しました。
千葉県で「特定建設業許可」を取得するための要件とは?
千葉県で一般建設業許可を取得する為の要件を紹介します。
事業者さんによって「新規取得」や「更新」「業種追加」など取得したい許可が異なると思いますが、基本的にどの許可であっても要件は同じになります。
6つの要件とは
千葉県で特定建設業許可を取得するためには、6つの要件を満たすことが必要になります。
6つの要件は
- 経営業務の管理責任者がいること
- 専任技術者が営業所ごとにいること
- 請負契約に関して誠実性があること
- 請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用を有していること
- 欠格要件に該当しないこと
- 社会保険に加入しているか
になります。
これだけで理解をすることはできませんので、一つ一つ具体的にご紹介していきます。
6つの要件の詳しくご紹介
1.経営業務の管理責任者がいること
1つ目の要件は「経営業務の管理責任者」がいることです。
具体的には一定の地位や経験のある人物が経営の管理責任者としているかの確認です。
※こちらは令和2年改正がありました。改正後の最新要件を記載しております。
経営業務の管理責任者の「経験年数」
まずは、建設業の経営業務における管理責任者の「経験年数」の確認です。
常勤役員等のうち一人が、下記1~3のいずれかに該当しているかが求められます。
常勤役員等とは、法人の場合は常勤の役員。個人の場合は本人または支配人のことです。
<要件>
- 建設業に関して、5年以上経営業務の※管理責任者としての経験を有する者
管理経営者とは
・法人の場合…役員や支店長
・個人の場合…個人事業主や支配人登録した支配人 - 建設業に関し、※経営管理責任者に準ずる地位にある者として5年以上経営業務の経験を有する者
経営管理者に準ずる地位とは
・ - 建設業に関し関し、6年以上経営業務の管理責任者を※補佐する経験を有する者
補佐とは
・法人の場合…役員に次ぐ人(建設部長など)
・個人の場合…妻や子、共同経営者
になります。
- いずれかに該当する場合…「経営業務の管理責任者」の要件を満たしています。
- 該当がない場合…次の要件に該当している必要があります。
■該当がない場合
先ほどの要件に該当がない場合は、建設業の経営業務の管理責任者に「準ずる業務」の経験が必要となります。
A.経営業務の管理責任者に「準ずる業務」の経歴
+B.その業務を補佐する者の経歴
が要件となり
具体的には下記のA,Bどちらも満たしていることが必要になります。
A.「常勤役員等」のうち一人がいずれかに該当
- 建設業の財務管理・労務管理・業務運営のいずれかの業務に関し、5年以上の建設業の役員等または役員等に準ずる地位に次ぐ役職経験を有する者
(建設業の役員等の経験2年以上が必須) - 建設業の財務管理、労務管理、業務運営のいずれかの業務に関し、5年以上の役員等の経験を有する者
(建設業の役員等の経験を2年以上が必須)
B.「常勤役員等を補佐する者」が全てに該当
- 許可申請を行う建設業者において5年以上の「財務管理」「労務管理」「運営業務」の経験を有する者
※一人でも複数人でも可能。
2.専任技術者が営業所ごとにいること
第2の要件として、専任技術者が営業所ごとにいることです。
専任技術者とは、その業務について専門的な知識や経験を持つ者で、営業所に常勤してその業務の専属となる者のことです。
専任技術者には「同業種の経歴」が求められ、次のいずれかに該当している必要があります。
- 許可を受けようとする業種に関して指定資格試験に合格した者、または国土交通大臣が定めた免許を受けた者
- 一般(左の表)のいずれかに該当
+元請として4,500万円(税抜)以上の工事について2年以上指導監督的な実務経験 - 国土交通大臣が上記2つと同等以上の能力を有すると認めた者
- 指定建設業については1.3のどちらかに該当する者
*同一営業所内において、2業種以上に技術者を兼ねる事は可能ですが、他の事業者または営業所の技術者と兼ねることは出来ません。
3.請負契約に関して誠実性があること
第3の要件は、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことです。
誠実性がない者とは、建設業法・建築士法・宅地建物取引業法等で「不正」または「不誠実な行為」により免許取消しや営業停止の処分を受けて5年経過しない者です。
対象者は
- 法人の場合…その法人・役員・支店長・営業所長
- 個人の場合…その個人事業主または支配人
上記のような処分を受けていなくても「不正な行為」や「不誠実な行為」が判明した場合は特定建設業許可がおりない場合があります。
・不正な行為とは
請負契約に際して詐欺、脅迫、横領などの法律行為に違反すること
・不誠実な行為とは
工事内容、工期などについて請負契約に違反する行為
4.請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用を有していること
第4の要件は、資金面についての確認になります。
要件は、次のすべてに該当するかです。
- 欠損の額が資本金の額の20%を超えてない
- 流動比率が75%以上である
- 資本金が2,000万円以上
- 純資産が4,000万円以上
5.欠格要件に該当しないこと
第5の要件は、欠格要件に該当しないことになります。
欠格要件とは、過去の違反行為、犯罪歴、暴力団員等との関わりです。
対象者は
- 法人の場合…その法人・役員・支店長・営業所長
- 個人の場合…その個人事業主または支配人
になり、次のいずれにも当てはまらないことが条件になります。
- 許可申請書またはその他添付書類に虚偽または重要事項の記載を欠いている
- 役員等の暴力団た過去5年以内に暴力団員だったものが含まれている法人、暴力団員等である個人、暴力団員等に事業活動を支配されているもの
- 法人の役員、個人事業主や使用人が以下の要件に該当しないか
①成年被後後人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ない者
②不正の手段により許可を受けたなどにより、その許可を取消され、その取消から5年未満
③許可を取り消されるのを避ける為、廃業の届け出をした者で、その届出から5年未満
④建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害をおよぼしたとき、またおよぼしすおそれが大
⑤請負契約に関し不誠実な行為をしたことにより営業停止中
⑥禁固以上の刑に処され、その刑の終わり又はその刑の執行を受けなくなった日から5年未満
⑦一定の法令に違反したことにより、罰金に処され、その刑の執行を受けなくなってから5年未満
こちらに該当しそうな場合は、欠格からどのくらいが経過したかなどを今一度確認しておきましょう。
6.社会保険に加入しているか
最後の要件は、社会保険に加入しているかです。
令和2年の改正での追加されており、
特定建設業許可を取得するために健康保険、厚生年金保険、雇用保険への加入が義務化されました。
特定建築業許可の新規取得はもちろん、更新時も社会保険に加入していない場合は建設業許可がおりませんのでご注意ください。
千葉県での特定建設業許可の手続きにおける注意点
次に特定建設業許可の手続きにおける注意点をご紹介します。
注意点は、書類集めに膨大な時間がかかることです。
実は、今ご紹介した要件を証明するのに約40種類程の資料を集める必要があります。複数の役所に問い合わせを行い、資料を漏れなく取得します。万が一漏れがあった場合は、再提出を求められ余計に時間がかかってしまいます。
通常、普段の業務と並行して書類集めを行うため「時間的・体力的に大変」という事業者さんがほとんどです。
工事の日程に合わせ、余裕のあるスケジュールで手続きを行うことをオススメします。
まとめ
千葉県で特定建設業許可を取得するための要件は
- 経営業務の管理責任者がいること
- 専任技術者が営業所ごとにいること
- 請負契約に関して誠実性があること
- 請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用を有していること
- 欠格要件に該当しないこと
- 社会保険に加入しているか
この6つの要件を証明する資料を収集し、役所に提出することで特定建設業許可を取得することが出来ます。
要件や提出書類を一つずつ確認しながら、計画的に手続きを進めていきましょう。