こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
前回の記事では、アメリカ人と国際結婚をする際に必要な手続きや書類などについてご紹介させていただきました。
しかし、一言にアメリカ人と言っても様々な職業の方がいます。
そして、中でもアメリカ軍に所属しているアメリカ人の方は国際結婚する際の手続きに差異があるので注意が必要です。
そこで今回は、アメリカ軍人の方と国際結婚する際に必要となる手続きや書類について解説していきたいと思います。
この記事は、行政書士の私がアメリカ軍人の方と結婚を控えているあなたに向けて「シンプルに分かりやすく」をモットーに作成しています。
アメリカ民間人とアメリカ軍人の手続きの違いは何?
アメリカ民間人の方と国際結婚をする時と、アメリカ軍人の方と国際結婚をする時、その違いとは一体何なのでしょうか?まずはその点について解説していきます。
アメリカ軍人と国際結婚する場合は、婚姻要件宣誓書を取得するのに通常とは異なる手順を踏まなくてはいけません。
婚姻要件宣誓書とは、アメリカ人と国際結婚をする際に必要となる書類の1つであり、結婚するアメリカ軍人が「独身であり、日本人と結婚するにふさわしい身分である」ということを証明してくれる書類です。
通常、この婚姻要件宣誓書は在日アメリカ大使館や総領事館で取得することが出来る書類です。しかし、アメリカ人配偶者の方が軍属である場合、大使館や総領事館からではなく基地内にある米軍法務部(リーガルオフィス)から取得する必要があります。
アメリカ軍人と国際結婚をするための手順
次に、国際結婚の手続きの手順をご紹介します。
基地内にある米軍法務部から婚姻要件宣誓書を取得し、婚姻を成立させるためには以下の手順を踏む必要があります。(所属している軍によって必要な手続きが変わってくるため、あくまで参考までに読んでみてください。)
1:マリッジセミナーの受講
アメリカ軍人の方と国際結婚をする場合、まずはマリッジセミナーを受けましょう。
こちらは必須というわけではありませんが、アメリカ軍の方と結婚をする上で大事な情報を分かりやすく教えてくれるセミナーとなっています。
マリッジセミナーは月に1回開催されており、参加するには事前予約が必要です。忘れずに予約をしておきましょう。
スケジュールはFFSCのFacebookより確認できます。
2:必要な書類を準備する
マリッジセミナーを受講したら、次は必要となる書類を用意しましょう。
必要となる書類は
- 日本人配偶者の戸籍謄本
- 日本人配偶者のパスポート
- アメリカ人配偶者のパスポート、あるいは出生証明書
となっています。
日本人配偶者の戸籍謄本は、原本と一緒にそれを英訳したものも用意する必要があります。
また、アメリカ人配偶者の出生証明書を提出する場合も、原本とそれを英訳したものが必要となるので注意しましょう。
≫アメリカ人のパスポートや出生証明書が無い方はこちらアメリカ大使館のページから申請できます。
3:健康診断を受ける
アメリカ軍人の方と国際結婚をする場合は、より細かな情報が必要になります。
その中の1つとして身体検査がありますので、外部の医療機関でしっかりと受けるようにしましょう。
必要となる検査は
- HIV
- 梅毒
- 胸部レントゲン
- 歯の検査
などがあります。(必要となる検査内容もマリッジセミナーで教えてくれますので、必ずマリッジセミナーに参加するようにしましょう。)
また、身体検査を受ける場合は英訳の健康診断結果を発行してくれる医療機関を選ぶのがオススメです。
その他、身体検査の結果の有効期限は6ヶ月以内なので、早めに婚姻手続きを進めるようにしましょう。
4:アメリカ人配偶者の上官に必要書類を提出
必要書類を揃えたら、次はアメリカ人配偶者の上官にあたる人にそれらの書類・身体検査結果を提出します。
問題がなければ上官から承認が降り「結婚許可証」をもらうことが出来ます。
5:リーガルオフィスに結婚許可証を提出
上官から結婚許可証を発行してもらったら、それを基地内にあるアメリカ法務部(リーガルオフィス)に提出しましょう。
結婚許可証が問題なく受理されれば「婚姻要件宣誓書」を発行してもらうことが出来ます。
6:日本側での婚姻手続きを行う
無事にアメリカ側での婚姻手続きが完了したら、次は日本側での婚姻手続きを行います。
日本側での婚姻手続きで必要となる書類は
となっています。
これらの書類はアメリカにある日本大使館か、日本国内の各自治体で入手することが可能です。
手続きが完了すると「結婚受理証明書」を発行してもらうことが可能になるので、発行してもらいましょう。
7:リーガルオフィスに結婚受理証明書を提出
日本側での手続きが完了したら、次は先に発行してもらった「結婚受理証明書」を基地内にある米軍法務部(リーガルオフィス)に提出しましょう。
また、結婚受理証明書は英文訳が必要になるので忘れないでください。
8:ミリタリーIDを発行
最後にミリタリーIDを発行します。
こちらはアメリカ人配偶者の所属している軍によって発行を依頼する先が変わってきますので、詳細はリーガルオフィスに確認しましょう。
まとめ
今回はアメリカ軍人と国際結婚する際に必要になる手続き・書類について解説させていただきました。
アメリカ軍人と国際結婚するのは、一般のアメリカ人に比べて手続きが複雑で期間も長くなってしまいます。そのため、早め早めの行動をするのが重要です。
また、アメリカ人配偶者の所属している軍によって必要な手続きが変わってくるというのも難点です。しっかりとリーガルオフィスに相談し、マリッジセミナーに参加して間違いのないように手続きを行いましょう。