こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
系統用蓄電池設置に向けたサポートをしています。
近年、系統用蓄電池(BESS)への関心が高まる中で、
次のようなご相談を非常によくいただきます。
- 市街化調整区域で系統用蓄電池は設置できるのか
- 開発許可を取れば進められるのではないか
- 「実質無理」と言われるのはなぜなのか
この記事では、
市街化調整区域で系統用蓄電池の開発許可が通らない本当の理由を、
行政実務の視点からわかりやすく解説します。
結論|市街化調整区域で開発許可が取れない理由
結論からお伝えします。
市街化調整区域で系統用蓄電池の開発許可が取れない理由は、
審査基準が存在しないからです。
「厳しいから」「前例がないから」ではありません。
制度上、許可・不許可を判断する基準が用意されていない。
これが実務の結論です。
市街化調整区域とは|なぜ開発が制限されるのか
市街化調整区域の基本的な考え方
市街化調整区域とは、
市街化を抑制するために指定された区域です。
都市計画法では、
- 市街化区域:積極的に開発する区域
- 市街化調整区域:原則として開発を抑制する区域
と明確に区分されています。
系統用蓄電池と都市計画法上の位置づけ
系統用蓄電池は開発許可の対象になるのか
系統用蓄電池は、その構成によって、
- 建築物に該当する場合
- 第一種特定工作物(危険物の貯蔵・処理)に該当する場合
があります。
この場合、
形式上は都市計画法の「開発許可制度」に乗ることになります。
なぜ「形式上は必要」なのに「実質不可」なのか
開発許可には必ず「審査基準」が必要
行政が開発許可を出すためには、
- どの用途が
- どの条件を満たせば
- 許可できるのか
という客観的な審査基準が不可欠です。
市街化調整区域×系統用蓄電池には審査基準がない
系統用蓄電池については、
- 開発許可の対象になり得る
- しかし、市街化調整区域において
その用途を評価する審査基準が定められていない
という状態にあります。
そのため実務では、
開発許可は必要
しかし、審査基準がない
→ 許可できない
という整理になります。
「前例」や「交渉」で解決できない理由
前例があっても意味がない理由
「他の自治体で前例がある」
「昔は許可が出たことがある」
こうした話があっても、
現在の判断にはほとんど影響しません。
理由は単純で、
審査基準がない状態は今も変わっていないからです。
公益性・再エネ政策を強調しても通らない
- 電力安定供給に資する
- 再エネ推進に貢献する
- 国策に合致している
こうした説明は重要ではありますが、
審査基準が存在しない以上、許可の根拠にはなりません。
これは説明不足の問題ではなく、
制度設計そのものの問題です。
実務で重要なのは「開発許可を取らない整理」
正しいスタート地点
市街化調整区域で系統用蓄電池を検討する場合、
❌ 開発許可をどう取るか
⭕ 開発許可が不要となる構成にできるか
ここが最重要ポイントです。
具体的に整理すべきポイント
- 建築基準法上「建築物」に該当するか
- 都市計画法上「特定工作物」に該当するか
- そもそも「開発行為」に当たるか
これらを一つずつ整理し、
開発許可制度の外に出せるかどうかを検討します。
土地契約前・設計前に必ず確認すべき理由
市街化調整区域では、
- 土地を契約してから
- 設計を進めてから
問題が判明すると、
後戻りができないケースが非常に多いのが実情です。
グリー行政書士事務所のサポート内容
当事務所では、
- 市街化調整区域における開発許可要否の判断
- 系統用蓄電池の都市計画法上の整理
- 農地転用
- 盛土規制法
- 景観法
を横断的に確認し、
「そもそも成立する案件かどうか」から整理します。
また、
これから系統用蓄電池事業を始めたい方向けに、
信頼と実績のあるEPC会社の無料紹介も可能です。
まとめ|市街化調整区域で迷ったら最初に相談を
市街化調整区域での系統用蓄電池は、
- 進め方を間違えると
- 初期段階で詰む
分野です。
「この土地、本当に使えるのか?」
その段階からで構いません。
無理に進める前に、
一度ご相談ください。