こんにちは。千葉県柏市のグリー行政書士事務所、代表の酒井です。
当事務所では「農地転用」や「開発許可」といった土地活用の手続きを専門に扱っています。
「農転5条の費用が高いって聞いたんです。自分でやれば節約できますか?」
実はこうしたご相談、とても多いんです。
結論からいうと――
👉 書類の一部は自分で用意できますが、申請全体を完全に自力で通すのはかなり難しいです。
今日は、費用を抑えたい方に向けて、
- 自分でできること
- 専門家に任せるべきこと
この境界ラインを整理して解説します。
自分でできること
① 登記事項証明書・公図の取得
法務局に行けば誰でも取れます。
- 登記事項証明書:1通600円
- 公図:1通450円
👉 ここは自力でOK。
② 印鑑証明書・住民票の取得
市役所・役場で数百円で取得可能。
👉 これも簡単に自力で可能。
③ 簡単な位置図・案内図
グーグルマップや自治体の都市計画図をコピーして印をつければ済むこともあります。
👉 小規模案件なら自作で十分。
専門家に任せるべきこと
① 申請書の作成
農地法5条の申請書は一見シンプルですが、用途・契約内容・資金計画 の記載で不備が出やすい部分です。
にもあるように、別紙資料のまとめ方で役所の指摘を受けることも。
👉 「一度で通す」ためには専門家に任せた方が効率的。
② 境界確定・測量
- 隣地所有者の立会い
- 官民境界(道路との境界)の確認
- 測量図作成
これらは土地家屋調査士の業務で、自分ではできません。
費用は30〜80万円かかることもありますが、ここを避けて通るのは不可能です。
③ 都市計画法の開発許可が絡む場合
調整区域や面積が大きい場合、都市計画法34条の許可も必要。
→ 農地法の許可と一体で審査されるので、専門家の調整力が欠かせません。
④ 使用貸借・売買契約書の添付
「親から子に貸すだけだから」と契約書を省略して提出すると、役所から「契約関係を示す資料を」と突き返されることがあります。
無償でも「使用貸借契約書」を作成し、添付するのが安全です。
👉 契約書作成は専門家に依頼すると安心。
どこまで自力でやれば費用は抑えられる?
- 自分でできる部分:書類取得・簡単な地図作成 → 数千円で済む
- 専門家が必須な部分:測量・申請書類の正確な作成・契約書 → 数十万円かかるが省略不可
つまり――
👉 「法務局や市役所で集められる書類は自分で」
👉 「申請書作成・契約関係・測量は専門家に」
この分担が、費用を抑えつつスムーズに進めるコツです。
実際の失敗例
- 全部自分でやってみたが、申請書の不備で3回も差し戻しに
→ 結局、専門家に頼んで時間と労力を浪費 - 境界が曖昧なまま申請したら、審査で測量を求められた
→ 急きょ測量を依頼し、予定より50万円以上の追加費用に - 使用貸借契約を口約束にして提出したら補正指示
→ 契約書を後から専門家に作ってもらう羽目に
まとめ
- 農転5条の手続きは「全部自力」は難しい
- 自分でできる範囲:登記簿・公図・住民票などの取得、簡単な図面
- 専門家に任せるべき範囲:申請書作成、契約書、測量、開発許可調整
- 分担を工夫すれば数万円は節約できるが、無理に全部自分でやると逆に高くつくことも
「費用を抑えつつ、スムーズに手続きを進めたい」――そう思ったら、まずは役所で概要を確認し、その後、専門家に「どこまで自分でやれるか」を相談してみるのがおすすめです。