こんにちは。グリー行政書士事務所の酒井です。
日本政策金融公庫の創業融資支援をしております。
銀行などの金融機関において開業資金の融資はかなり厳しいと言われる中でも、日本政策金融公庫は積極的に開業サポートに取り組み、必要な融資を行っています。
そのような取り組みから、「日本政策金融公庫の創業融資なら誰でも借りられる」といったイメージをお持ちの方は少なくありません。
結論から申しますと、確かに日本政策金融公庫では創業融資において創業者向けの融資制度を設けていますが、誰でも審査に通過するほど甘いものではありません。
返済能力はもちろんのこと、事業に対して将来性が見いだせない場合には、審査において厳しい判断をしているのも事実です。
ただし、審査基準を満たしていれば審査に通過できますから、きちんと創業準備に取り組み、事業計画・資金計画を検討することが大事なのです。
そこでここでは、日本政策金融公庫の審査について深掘りし、審査内容や基準、条件、対処法などについて詳しく解説していきます。
日本政策金融公庫の審査を通過するために必要な4つのポイント
日本政策金融公庫の創業融資を利用する場合、審査に通過しなければ融資を受けることはできません。
決して甘い審査ではありませんが、ここではポイントとして4つにまとめてみましたのでご紹介していきましょう。
■自己資金
日本政策金融公庫の審査においては、自己資金を準備しているか確認されることになり、自己資金が十分に用意されていればするほど、審査に通過しやすくなります。
例えば、日本政策金融公庫が創業者向けのサポートとして提供している『新創業融資制度』においては、自己資金の要件として『創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できること』としています。
そのため、仮に開業資金のために1000万円の融資を受けたいということであれば、100万円の自己資金があってはじめてスタートラインに立てることになります。
ただし、自己資金が創業資金総額の10分の1を満たしていれば必ず融資が受けられるというものではなく、例えば半年ほど前からコツコツと貯金に取り組むなどの姿勢が大切です。
仮に、口座に100万円が入金されているとしても、カードローンなど借金で調達している可能性もあるからです。
そのようなケースであれば、返済能力に問題があると判断され、審査に落とされてしまうことになるのです。
さらに言えば、希望する創業資金が満額で融資を受けられるとも限りませんから、創業を決意したときから、やはり自己資金を少しでも増やしておくよう努力することが大事です。
■事業に対する経験やスキル
開業する事業に対する一定程度の経験や、学んできたスキル、取得した資格など、技術力や運営ノウハウがきちんと身についているのか、確認されることになります。
もちろん、経験が長いからと言って良いものではありませんし、経験が少ないからと言ってダメだという訳でもありません。
ただ、やる気ばっかりでスキルが足りないことや、夢ばかり追い求めているような状態では、運営がうまくいかない可能性が高いのではないかと判断されてしまいます。
そのため、どのような実績を残してきたのか、どのようなノウハウを学んできたのか十分に説明できるようになっておくことが大切です。
現在、開業準備を進めている状態で、まだサラリーマンであるならば、日々の業務の中で、どうすれば売上がアップするのか、集客に繋がるのか、販売促進策を練っておくことも重要でしょう。
■税金や公共料金、住宅ローンなどの支払い
開業資金の融資を受けるためには、返済能力が備わっているのかが審査の重要ポイントであり、その判断基準として税金や公共料金、住宅ローン、家賃、その他の支払いがきちんと行われているのか確認されることになります。
もちろんですが、税金の支払いは国民の義務であり、公共料金や住宅ローンなどについても契約に基づいたものですから、きちんと支払わねばなりません。
仮にこれらの支払いが滞っているとしたら、義務や約束を守れないという判断に至ってしまい、たちまち信用力が低下してしまうことになるのです。
そのため、経営者とあるのであれば、信用を落とさないように自覚しておくことがとても重要です。
支払いを忘れないようにするためにも、自動引落などの設定にしておくなどし、引き落としが確認できる通帳や明細を大事に保管しておくことが必要です。
■事業計画
日本政策金融公庫の審査においては、『事業計画』『資金計画』の内容を重視しており、事業が本当に運営できるのかを判断しています。
事業計画・資金計画の内容については、『創業計画書』と呼ばれる、日本政策金融公庫で用意されている書面によって確認することになり、提出しなければ審査を受けることができません。
創業計画書の内容については、
- 創業の動機(目的や動機、経営方針、立地の選定の理由など)
- 事業経験(勤務時の役職、待遇、実績など)
- 取扱商品・サービス(セールスポイント、コンセプトなど)
- 取引先・取引関係等(顧客ターゲット、新規客の獲得のイメージなど)
- 必要な資金(家賃や内装工事費、経費など。妥当な費用か、見積りは取っているか)
- 資金調達方法(自己資金は貯めているか、借入依存になっていないか)
などといったものがポイントとなっています。
先にもお伝えした通り、特に自己資金や事業の経験、諸支払いについては大きなポイントとなるのはもちろんですが、事業の見通しをはじめ、必要な資金、資金調達方法などについても見込みが甘くならないように注意が必要です。
商品やサービスにおいては妥当な料金を設定し、通行量や立地エリアから見込み顧客の人数を分析し、想定する売上高を算出していきます。
必要な資金については、周辺相場と妥当な水準の家賃、2社以上の見積りを取った内装費用、背丈にあったグレードの機材、運転資金を考慮した広告宣伝費や人材募集費など、根拠をもとに算出することが大切です。
そのうえで、しっかりと自己資金を用意し、それでも足りない部分において融資を受けるようにして、借入依存にならないようにしなければなりません。
日本政策金融公庫の審査に落ちる理由と対策
- 自己資金が足りない
- 経営計画に無理がある
- 面談でうまく説明できない
- 税金や公共料金などの延滞がある
- 過去に金融事故を起こしている
審査に落ちてしまうポイントとして、上記の通りにまとめることができます。
日本政策金融公庫の審査通過率は、自分ひとりで申込みを行った場合には50%程度、創業融資であれば20%以下になると言われています。
そのように考えると厳しいように感じますが、冒頭からお伝えしている審査内容についてしっかりと検討するようにしておけば通過しない審査ではありません。
特に、日本政策金融公庫では面談が必要になり、その場でうまく受けごたえするのも、融資を受けるためには必要な技術となっています。
そのため、どうしても一人で融資を受けるのは難しい、どのように準備すれば良いのか分からないということであれば、専門家からサポートを受けることをおすすめします。
創業時の資金調達ならグリー行政書士事務所に相談を
この記事では、日本政策金融公庫の審査について着目し、審査内容や審査に落ちてしまう理由などの情報を詳しくご紹介しました。
日本政策金融公庫では、銀行などの金融機関では利用が難しい、開業のための支援・サポートを行っていることから、「審査は甘いのではないか」というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし、事業の目的をはじめ、事業計画を綿密に立て、売上や運営資金、資金調達方法などを明らかにしなければ、融資を受けることができません。
そのため、しっかりと準備に取り組んで、開業に取り組まねばならないのです。
ただ、どうしても1人で取り組むには限界があり、審査に通過するのも難しくなってしまいますので、専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。
グリー行政書士事務所では、最短の時間で最大の融資が受けられるよう、無料相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。